「ePARAカーニバル」開催
去る2022年5月28日(土)、東京都品川区にあるAny%CAFEで、バリアフリーeスポーツイベント「ePARAカーニバル」が行われました。
ランパーティー形式で機材を持ち寄りプレイしたり、PCメーカーのスポンサードを受けて高性能PCを使い、多人数プレイやライブ配信を行ったりと、当日は様々なタイトルで催しが行われました。
Any%CAFEと運営会社ePARAについて
障害の有無・年齢・性別・距離・言語など、様々な壁を越えて交流できるのがeスポーツ。こういった特徴を最大限発揮できる環境を整備したバリアフリーeスポーツカフェが「Any%CAFE」です。
運営は「株式会社ePARA」。eスポーツを通じて障害者が自分らしく&やりがいをもって社会参加するための支援活動や、バリアフリーeスポーツに関するニュースの取り扱い、バリアフリーeスポーツ大会の企画運営を行っています。
「ePARAカーニバル」メディアデー
ePARAカーニバル本番に先立ち、2022年5月27日(金)は、メディア関係者に向けたイベントが催されました。
オープニングセレモニー
株式会社ePARA代表の加藤氏の挨拶からはじまり、各スポンサード企業や、大会関係者がコメントを述べていました。
登壇者
- ビーウィズ株式会社 代表取締役社長 森本宏一氏
- 株式会社サイコム 代表取締役社長 河野孝史氏
- 筋ジストロフィー活動家 YouTuber ePARAユナイテッド 鳥越勝氏
- バリアフリープロジェクトチーム「Fortia」北村直也氏・井口美優氏
セレモニーの最後には、「Fortia」メンバーによる鉄拳7のエキシビジョンマッチも開催されました。
パネルディスカッション1「ゲームには社会をバリアフリーにする力がある」
最初のパネルディスカッションでは、企業視点でeスポーツをどう捉えているのか、各氏から活発な発信が行われました。
登壇者
- セガサミーホールディングス株式会社 執行役員 サステナビリティ推進室長 一木裕佳氏
- ビーウィズ株式会社 執行役員 伊藤雅彦氏
- 株式会社サイコム プロダクトマネージャー 山田正太郎氏
eスポーツを通じて人間関係が改善されたり、障害者と健常者の垣根が取り払われた事例などが挙げられました。
パネルディスカッション2「ゲームアクセシビリティ対応の最前線」
続いてのパネルディスカッションでは、ゲーム開発側はどのように「バリアフリー」に取り組んでいるのか、各氏から発信が行われました。
登壇者
- 株式会社セガ 「ぷよぷよ」シリーズ総合プロデューサー 細山田水紀氏
- 株式会社バンダイナムコエンターテインメント 「鉄拳」プロデューサー 原田勝弘氏
様々なタイプの視覚障害者に対し、背景の変更やカラーフィルター技術を駆使していかに快適にプレイしてもらうか、開発中の貴重な映像も公開されました。
また、「今後は障害当事者からのフィードバックを得ながら開発できれば良い」「バリアフリーにすることでユーザー数がどれだけ増えるかを上役にもPRしていきたい」と、将来に向けての展望も語られました。
パネルディスカッション3「障害者雇用とeスポーツの未来」
最後のパネルディスカッションでは、障害者雇用とeスポーツについて、各氏から発信が行われました。
登壇者
- 株式会社パレット 代表取締役 三宅治樹氏
- 汐留社会保険労務士法人 事業統括役員 新井将司氏
eスポーツを通じてコミュニケーションを取ることで、障害者のスキルや適性が評価しやすくなること。そのため、雇用者と被雇用者のミスマッチが減り、雇用後もeスポーツを通じてコミュニケーションを取り、働きやすさを向上させることにも繋がっていることなどが挙げられました。
「ePARAカーニバル」ゲーム(eスポーツ)デー
2022年5月28日(土)のイベント本番では、次のようなプログラムが時間帯ごと催されました。
プログラム
- 心眼CUP powered by SYCOM 団体戦「ストリートファイターV チャンピオンエディション」
- ePARAユナイテッド チャレンジマッチ「FIFA22」
- FPS各種
- ヘルスケア
- ポケモンユナイト
- 雀魂
- マインクラフト
- RTA
- 先読みカラオケ
- 各種展示
このなかで、eスポーツキットがサポートした【ePARAユナイテッド チャレンジマッチ「FIFA22」】【FPS Fortia】を中心にレポートしていきます。
ePARAユナイテッド チャレンジマッチ「FIFA22」
全員が日常生活で車椅子を使用する「車椅子eサッカー」のプレイヤーで構成されたチームで、eスポーツを通じてサッカーをプレイするイベントです。
実況は井上マー氏、解説はePARAユナイテッド監督でプロeスポーツプレーヤーのGENKIモリタ氏という、豪華な放送席。マッチの模様はライブ配信されました。
全部で3ゲーム行われ、10番のTSUBASA選手が得点王。各ポジションの選手も守備・攻撃でチームを献身的にサポートし、大いに盛り上がりました。
実況の井上マー氏は「eスポーツのサッカーは初めて見るが、実際のサッカーを見ているみたいで興奮してきた」と大盛り上がり。
試合中には、スペースを上手く使ったパスや、細かな連携やフォローなどが見られ、オンラインを通じて練習を重ねてきた成果が、イベント当日もいかんなく発揮されていました。
eスポーツキットは、選手とサポーターが着用するユニフォームと、キャプテンマークをサポート。
FPS Fortia
各ブースでは、フォートナイトなどFPSも行われていました。
eスポーツキットは、選手ユニフォームをサポートさせていただきました。グレーの迷彩TシャツにFPS Fortiaのロゴを刺繍した、シンプルながらも美しいこだわりの一品です。
eスポーツキットとePARAカーニバルの関わり
Any%CAFEのオープニングイベントに続き、選手着用ユニフォームやスタッフTシャツをサポートいたしました。
アパレル以外にも「できること」を常に増やし続けているeスポーツキットは、キャプテンマーク・腕章・応援用マフラータオルといったアイテムもサポートいたしました。
イベントを終えて
「バリアフリーeスポーツ」を掲げる株式会社ePARAが主催する「ePARAカーニバル」。
eスポーツは障害者と健常者の垣根がなくなる素晴らしいツールでもあり、それを見事に体現しているプレーヤー達がとても印象的でした。
またその裏で多くのスタッフが連携し、イベントを支えている姿も印象的でした。
「Any%CAFE」はeスポーツイベントでの利用が可能ですので、詳しくは以下よりお問い合わせください。
■ Any%CAFE
https://any-percent-cafe.studio.site/
また、バリアフリーeスポーツに関するePARAの活動については、以下をご覧ください。
■ ePARA
https://epara.jp/
最後に、株式会社ePARAがこのイベントで発信した力強いメッセージを引用し、レポートを終わりたいと思います。
本気で遊べば、明日は変わる。
あなたが、本気で取り組んでいることは何ですか?
私たちePARAは、本気で遊ぶことに取り組んでいます。
そして、ゲームを通じて誰もが輝ける社会をつくりたいと考えています。ひとが自分らしく生きられるよう、いま、社会は変わりつつあります。
ところで自分らしいって何でしょうか。
それは、いつどこでも同じような自分を続けることではなく、
変化するその時々の気持ちに合った自分であること。
生き方に選択肢があることが自分らしさにつながっているのです。
しかし、障害者の生きる選択肢は限られています。
出会いが少なかったり、活躍の場が無かったり、あったとしても継続されにくかったり。私たちは、この状況をゲームの力で解決したいのです。
ゲームは、目の前にある現実にとらわれない世界で、独自のルールに則って楽しむもの。
障害の有無、性別、年齢、人種、国境、職業など、
これまでひととひとの間に成約や不均衡を生んできた様々な違いは、
ゲームの世界では意味を持ちません。
参加する全てのひとが等しく、自分が選んだキャラクターになり、その役割を全うします。
ゲームは、個人が自分のために楽しむためのものではなく、
ひとが違いを超えてつながり、みんなで楽しむものなのです。ePARAは、障害者がゲームを本気で楽しみ、誰かとつながり、活躍し、
人生の選択肢を増やすことに取り組んできました。
健常者であろうと障害者であろうと、ゲームでは勝ち負けがつきます。
勝利を目指して、貪欲に工夫を凝らすことがレベルアップにつながり、
次の楽しみになる。
そして新たな出会いをもたらす。ゲームに熱中することが、自分の世界を広げ、
選択肢を増やすことになるのです。本気で遊べば、明日は変わる。
あなたは、本気で遊んでいますか。