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格ゲー操作革命!HitBOX試してみた

格ゲー操作革命!HitBOX試してみた

「HitBOX」とは

「HitBOX」とは移動をボタンで入力できるようにした格闘ゲーム用コントローラーです。2011年頃にアメリカのHitBOX社によって開発されました。

日本を代表する格闘ゲームのプロeスポーツ選手である「ウメハラ」選手が、HitBOXの亜種「ガフロコン」での操作を練習していることを公言し、大きな話題になりました。

今回は、HitBOXについての概要を解説するとともに、HitBOXを持っている友人宅で実際にスリートファイターVをプレイしてみた所感を述べていきます。

 

なぜ「HitBOX」が話題なのか

一言で表せば「使いこなせれば格闘ゲームが強くなるから」です。

格闘ゲームのコントローラーといえば、先端に丸い玉のついた棒を傾けることで移動する「レバー入力」と言われるものがほとんとですが、「HitBOX」にはレバーがついておらずボタンを押して移動を入力します。それだけの違いで「なぜ格闘ゲームが強くなるか」というと、「入力のタイムラグが少なくなるから」です。

 

レバー入力の場合(一般的なアーケードコントローラー)

レバー入力の解説

レバーを傾ける動作は手を大きく動かす必要があるため、「移動を入力した」と判定されるまでに時間がかかります。また、動作が大きくなると入力が不正確になりがちです。

 

ボタン入力の場合(HitBOX型レバーレスコントローラー)

ボタン入力の解説

一方、ボタンを押すだけであれば「移動を入力した」と判定されるまでが短いです。さらに、それぞれの指で入力できるため正確なプレイができるというメリットがあります。

 

1フレーム(約0.016秒)単位で状況を判断し入力を行うプロの格闘ゲーマーにとってこのタイムラグは非常に大きく、EVOなどで活躍する海外のプロeスポーツ選手を中心にHitBOX型のボタン入力コントローラーが使われるようになり、日本のプロeスポーツ選手でも導入する人が増えてきています。

 

実際にHitBOXでストVやってみた

実際にHitBOXを使ってスリートファイターVをプレイしたレビューを述べていきます。

 

HitBOXの操作方法

HitBOXのデフォルト操作

左側の赤い4ボタン「薬指で左」「中指で下」「人差し指で右」「親指で上」を入力します。攻撃ボタンは一般的なコントローラー同様ですね。仕組み自体はとてもシンプルです。

あれ?斜めはどうやって入力するの?」と思った方もいるかもしれません。実は、格闘ゲームのプログラム的には「斜め」という概念はないんです。

ストリートファイターシリーズで有名な技である波動拳の入力方法は「↓\→+P」と書いてありますが厳密には「↓→+P」で出ます。また、右斜め上にジャンプしたければ「↑+→(上と右を同時押し)」という操作で可能です。

 

PS5の接続エラーでつまずく

まずはPS5のスト5で操作練習を・・・と思いきや、数秒操作するたびに接続確認のエラーメッセージが出てロクに練習ができません。調べてみたところPS5では正常に動かないようです。

友人の話では「PS4やPCでは正常に動作していた」とのことなので、PC版でプレイしたらHitBOXが正常に動きました。選択したキャラは、スト2からずっと使用している「ブランカ」。戦い方もよく知っているし、HitBOXが特に得意とするタメ技系が多いことからのチョイスです。

 

レバー操作が体に染みついていて頭が混乱

レバーがないので、移動すること自体が頭から抜け落ち、ブランカが挙動不審に。

防御が甘くなり技もロクにでないため、Normal設定のCPUにもぜんぜん勝てないという事態に陥りました。

 

上下が分からずさらに混乱

さらに頭を混乱させたのが、「中指がしゃがみ」で「親指がジャンプ」というボタン配置です。ボタンの位置関係としては「しゃがみが上」に「ジャンプが下」にあり、上下が分からなくなってしまうのです。

ジャンプの速さと高さが強みの一つである「ブランカ」ですが、上下が分からなくなっているため意図したタイミングでジャンプができず、想像以上に「操作に慣れないと戦いにならない」ことを痛感しました。

 

タメ技の発動が楽

それでも根気よくCPUに挑み続けると段々と頭が慣れてきて、ぎこちないながらも戦えるようになってきました。

前評判通りタメ技の発動が楽で、「ローリングアタック(←タメ→+P)」「バーチカルローリング(↓タメ↑+P)」がレバー入力より圧倒的に素早く正確に出せ「慣れたら強いぞ」と体感するに至ります。

 

間合いのコントロールがしやすい

「ブランカ」にも多少慣れたので、次は「春麗」で練習開始。ブランカ同様タメ技が多いことからのチョイスだったのですが、良い意味で誤算がありました。

「春麗」は移動速度と攻撃速度が速く、立ち強Pや立ち中Kなど射程の長い技が届くギリギリの間合いを出入りしながら牽制するのが強力です。その際、レバーを傾ける動作がないため間合いの維持がしやすく、また、気功拳も出しやすいため非常に戦いやすかったです。

 

斜め入力がムダであることに気付く

前述した通り格闘ゲームには「斜め」という判定はありません。レバーでの斜め入力は直観的ではありますが、入力時の時間ロスや誤操作のリスクを考えると効率的ではありません。

定番の波動拳が「↓\→+P」でなく「↓→+P」で出せるのは単純にプロセスを一つ省略できる意味でも強力ですし、ボタン入力なので発動がより早く感じます。このムダをそぎ落とした点でも、いかにHitBOXが革新的であったかが分かります。

 

手の小さい人にはジャンプボタンが遠い

HitBOXの操作にも大分慣れ、CPUとまともに戦えるようになりましたが、ここで一つ問題に気付きます。

筆者はとても手が小さいため、親指で操作するジャンプボタンが遠く感じるのです。手を常にピンと開いておかなければジャンプボタンの上に親指を乗せることができず、操作しづらい上に手が疲れてしまうという欠点がありました。

HitBOXはアメリカで開発されたため、日本人に比べて手が大きいことを想定しているのでしょう。手が小さい人にとっては扱いづらいかもしれません。

 

移動と攻撃のボタン群が近い

HitBOXのボタン配置を見ると、移動ボタンと攻撃ボタンが隣接して配置されているのが分かると思います。恐らく、「左手でも弱攻撃ボタンを押せる」「右手でもジャンプボタンを押せる」という配慮なのでしょう。

しかし、このボタン配置だと両手を密着させ抱え込むような体勢で操作することになります。肩幅より若干狭い程度のスタンスで操作したい筆者としては、窮屈で疲れやすく感じました。

 

個人的に使いやすいコントローラー案

個人的に使いやすいボタン配置

手が小さい上にレバー入力の呪縛から逃れられていない筆者が使うなら、以下のようなHitBOX型コントローラーが使いやすいのでは?と思いました。

・移動ボタン群と攻撃ボタン群を左右に離し、スタンスを広く取れるようにする。

・ジャンプボタンを右ボタンの直下に配置する。

・しゃがみとジャンプを逆にする(キーコンフィグで可能ではありますが)

 

HitBOX型コントローラーの注意点と未来

HitBOX型のレバーレスコントローラーは、従来のコントローラーとは大きく異なるため、注意すべき点がいくつかあります。

 

入力処理の仕様を確認する

HitBOX型コントローラーはボタン入力のため、「左と右を同時に入力する」「上と下を同時に入力する」というようなレバー入力ではできない操作ができます

純正HitBOXの場合、「左と右を同時に入力すると打ち消し合ってニュートラル」「上と下を同時に入力すると上が優先」される仕様になっています。例えば「ガイル」の「サマーソルトキック(↓タメ↑+P)」であれば下のどちらでも操作が成り立つということです。

1.[↓タメ] > [↓を離す] > [↑とKを押す] > サマーソルトキック発動

2.[↓タメ] > [↑とKを押す] > サマーソルトキック発動

レバー入力が染みついていると「1」の操作をしてしまいますが、「2」の方が素早く入力できます。1フレームを追求する格闘ゲーマーは入力処理の仕様を確認するようにしましょう。

 

使用できない亜種がある

2019年にカプコンの公式大会で、ウメハラ選手がHitBOXの亜種である「ガフロコン」の使用を申請したところ、禁止されるという問題が発生しました。

おそらく、「ガフロコン」の入力仕様やボタンが増設されていることが問題視されたのであり、純正HitBOXが禁止されたわけではありませんが、これによりレバーレスコントローラーの使用自体の是非が問われる事態に。相次ぐレギュレーションの見直しにより入力仕様やボタンの数などについて厳密なルールが設けられました

現在、カプコンの公式大会で純正HitBOXは問題ないとされていますが、HitBOXやHitBOX型コントローラーの亜種を大会で使用したい場合は、入力仕様などを大会レギュレーションでよく確認した上で準備をしましょう

 

ゲームにつきものの機器問題

昔からゲームの世界では、連射機能付きコントローラー、マクロ機能付きコントローラー、ボタン増設コントローラーなどなど、道具で対戦を有利にする方法が模索されてきました。オンライン対戦であれば回線速度やモニタのリフレッシュレートすら有利不利に影響します。

公平性を保つためのルール好きに楽しく遊べる自由度のバランスを取るためには、ゲーム会社と大会運営者による試行錯誤が重要になってくるでしょう。極論、公平性を求めるのであれば、あらかじめ運営側指定の機材を告知した上で、会場では指定機材で環境を揃えるということになると思います。

しかし、PSなどのゲーム機であればゲームパッド、PCならキーボード入力、スマホやタブレットならタッチ操作など、ハードの多様化により入力方法の幅も広がっています。今後さらに技術が進歩すれば新しい入力方法が誕生する可能性は高く、厳しい規制だけではゲームも大会も成り立たなってくるでしょう。

 

まとめ

コントローラーからレバーを取り払い、移動をボタンで行うようにした斬新かつ革命的なコントローラー「HitBOX」。たった数時間の体験でしたが、想像よりもボタン入力のアドバンテージは大きく、頭の中のイメージと操作を極限まで一致させたい人にとっては非常に良い選択だと思います。また、格闘ゲームに関わらず道具の進歩によりeスポーツの競技レベルが加速していくことは避けられないように感じました。

HitBOXの発売から10年以上も経っていますし、純正HitBOXであれば多くの大会で使用できます。しかし、HitBOX型の亜種コントローラーを使用して大会に参加する方は、事前に自分のコントローラーが使えるか大会レギュレーションを確認しておくとよいでしょう。また、元も子もない話ですが、HitBOX型コントローラーが使用できなかった時に備えてレバー入力でも問題なくプレイできるよう訓練しておくのもオススメです。

 

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